【手抜き業者を見抜く】外壁塗装は3回塗りが基本!その理由を解説
2021.10.30 (Sat) 更新
「外壁塗装は3回塗り」と聞いたことのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
塗料は、下地を整え接着剤代わりとなる「下塗り」、塗料を塗布する「中塗り」、二回目の塗布をする「上塗り」の3段階に分かれています。
3回塗りで塗装を行うよう定められている塗料が多いこと、もっとも機能性を発揮し美しい外観になる厚みになるのが3回塗りとされていることなどが、「外壁塗装は3回塗り」と言われる理由です。
しかし、例外的に2回や4回の塗装をする場合も。
この記事では、外壁塗装の塗り回数・例外のケース・注意するべき業者のトーク集などをご紹介します。
まずは3回塗りをする理由からチェックしていきましょう。
目次
外壁塗装はなぜ「3回塗りが基本」なの?
外壁塗装において3回が基本とされているのは、3回塗ることではじめて
- 期待耐用年数分もつ持続性
- 剥がれを起こしにくい耐久性
- 断熱・遮熱・防カビといった機能性
といった効果が出るよう設計された塗料が多いことに由来します。
3回塗りは基本的に「下塗り」「中塗り」「上塗り」に分かれており、各工程に意味があります。
そのため3回塗り塗料にもかかわらず2回塗りで終わらせると、塗りムラ・機能性の低下・ピンホール(気泡)が空くといった問題につながることも。
上記のトラブルは美観をそこねるだけでなく耐久性にも影響を及ぼすため、2~3年後といった短スパンで再塗装が必要になるケースも多いです。
ただし中には2回塗り専用塗料もあり、すべての塗料において3回塗りしなければならないわけではありません。
あくまでも塗料で定められている通り、正しく施工することが重要です。
外壁塗装3回塗りのそれぞれの役割
ほとんどのケースで3回塗りが必要になる外壁塗装ですが、下塗り・中塗り・上塗りでどういった意味合いがあるのかご存じの方は少ないのではないでしょうか。
ここでは各工程の持つ意味・役割についてご紹介します。
それぞれ綺麗で機能性の高い外壁へ仕上げるには重要な工程のため、しっかりチェックしておきましょう。
【1回目の塗装】下塗り
下塗りは2つの重要な役割を担っており、「もっとも重要」と言われることの多い塗装工程です。
下塗りを行う意味として、以下の2つが挙げられます。
- 下地の劣化を補修し、この後塗る塗料をしっかり接着・定着させる
- 既存塗料の影響を受けなくする役割
特に、外壁のひび割れ・撥水性の低下といった劣化を補修し、塗料を接着させる1の役割がメインです。
基本的には下塗りは1回で終了しますが、下地へのダメージが大きい場合は2回塗りを行う必要がある場合も。
下塗りが2回になった場合は、下塗り+下塗り+中塗り・上塗りで、4回の塗装を行うスケジュールになります。
【2回目の塗装】中塗り(上塗り1回目)
中塗り、あるいは上塗り(1回目)と呼ばれる工程です。
上塗り塗料で塗装を行いしっかりと塗膜を形成し、雨・風・紫外線から外壁材や家を守る役割を果たします。
ここで使う塗料は無機塗料・断熱塗料・シリコン塗料など、事前にお客様と相談し選んだものを使用します。
【3回目の塗装】上塗り(上塗り2回目)
上塗りは、基本的には中塗り・上塗り(1回目)と同じ塗料で塗装します。
塗装のムラを消し色艶を出し、綺麗な外壁にする工程です。
また塗膜をよりしっかりした厚みのあるものにし、より強固な機能性・耐久性を持つ外壁へと仕上げます。
なかには中塗り・上塗りの一方を省略し2回塗りで施工を終わらせる悪徳業者もいますが、その場合は十分な機能性が発揮できない・下地の色が透けて見えて濁った色味になる、といった問題が起きる可能性も。
しっかりご自身の目でも中塗りと上塗りがされているか確認したい場合は、業者へ中塗り・上塗りで使う塗料の色を変えてもらうよう相談してみましょう。
外壁塗装が3回塗りじゃない!?例外ケース紹介
外壁塗装は3回塗りが基本であることはご紹介している通りですが、中には2回塗りや4回塗りといったイレギュラーな施工になる場合もあります。
3回の塗装を行うはずなのに、なぜ回数が変動するのでしょうか。
ここからは、2回塗りになるケースと4回塗りになるケースをそれぞれご紹介します。
2回塗りになるケース
「塗装回数が減るのは、なんだかんだ理由をつけて手間や塗料をカットしたい悪徳業者なのでは?」と思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、優良業者でも2回塗りを行う場合もあります。
例えば「その場所で施工できる期間が限定されており、時間制限がある」といったケース。
その場合は2回塗り用の塗料を使用し、3度塗りは行いません。
しかしそれは当然、見積もりに記載したうえ、依頼者・施工者同意のもと行います。
「見積もりには3回とあったのに、2回塗りで終わってしまった!」といった場合は業者を疑う必要があるでしょう。
またなかには2回塗り専用塗料として、下塗り不要のものや中塗り不要の塗料もあります。
業者からそのように説明を受けた際は見積もりに塗料の詳細を記載してもらい、後で検索して本当に2回塗り塗料なのか確認しておくと安心です。
4回以上塗るケース
上記のケースとは逆に、塗装回数が増える場合もあります。
前回の塗装から時間が経ちダメージが大きい外壁やひび割れが多い外壁はしっかり下地を整える必要があり、4回・5回・6回など塗装回数が増える場合も。
その場合は当然、施工スケジュールが延びたり施工費用が嵩んだりするため注意しましょう。
塗る回数に関する注意が必要な外壁塗装業者のトーク集
ここまでご確認いただいた方には、塗装回数の意味・重要性をお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし中には、さまざまな理由をつけて塗装に必要な塗料・期間などをカットしようとしている業者もいます。
例えば、以下のような文言を言われた場合は要注意です。
- 「希釈をせず塗るので、塗装回数が少なく済みお得です!」
- 「スピーディな施工が自慢!1日で3回塗り終わるため、すぐに足場撤去できます」
- 「今回はサービスで4回塗りします!」
- 「付帯部は下塗りなしで大丈夫です!」
「希釈をせず塗る」に同意した場合、しっかりとした耐久性や機能性が発揮されず数年で外壁がボロボロになる可能性があります。
塗料の希釈率は塗装回数と並び、機能性を出すために徹底するべき重要事項です。
この文言を言われた場合は、業者を疑う必要があります。
2のように、1日で3回塗りを終わらせる業者も論外と言わざるを得ません。
1度塗装をすれば、気候や塗料にもよりますが最低3~4時間程度は乾燥時間として必要です。
そのため急いでも、1日で塗装をすべて終えることはできません。
もし1日ですべて塗り終えてしまった場合、乾燥不十分で数年後に塗装の膨れ・剥がれといった不具合が出てくる可能性が大きいと考えられます。
3のようにサービスで塗装回数を増やす文言に関しては、問題ないのでは、と考える方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、下地の状態が悪く下地を増やしたために4回塗りになった、といった場合なら問題ありません。
しかし上塗りだけを増やす場合は意味がなく、塗料分の費用をかさましされて料金トラブルになる可能性があるため注意しましょう。
また4についてですが、付帯部も下塗りが必要です。
ポスト・扉・破風板などを塗装する場合も、しっかり下塗りをしてもらいましょう。
上記のようなセールストークによる杜撰(ずさん)な施工は、塗料を塗る回数や希釈率が重要といった知識があれば防げます。
しっかりと適切な塗り回数を把握し、そこから逸れる場合はきちんと理由を説明できる業者を選びましょう。
施工途中で悪徳業者だと気が付いたら
施工中にいきなり塗装回数を変えられた・中塗りを省略されたといった事実が発覚し、途中で悪徳業者だと気が付いたら「住宅紛争処理支援センター」へ相談しましょう。
「住宅紛争処理支援センター」は、国土交通大臣指定の相談窓口です。
電話相談・見積もりチェック・起きたトラブルを裁判外で迅速に解決する、といったサポートを受けられます。
ホームページで相談事例をチェックできるため、不安のある方は一度目を通しておくのもおすすめです。
公式ホームページ:住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
まとめ
外壁塗装は、3回塗りが基本です。
これは、下地を整え接着剤の役割を果たす下塗り・機能性をもった塗膜を形成する中塗り・中塗りの効果を高める上塗りと、それぞれきちんとした役割があること、そして3回塗り用に設計された塗料がほとんどであることが理由として挙げられます。
しかし、使用する塗料や現場の状況によっては、2回塗りや4回塗りなど塗装回数が変動する場合があります。
その際はきちんと説明してくれる、安心の業者へ依頼しましょう。