工場などに使用する耐熱塗料について詳しく教えてください。オキツモ耐熱塗料
2025.10.14 (Tue) 更新
工場などの耐熱塗料について詳しく教えてください
以下、工場などで使う耐熱塗料(耐熱塗装)について、用途・種類・性能指標・下地処理・施工方法・検討ポイント・安全性・維持管理・費用目安まで、実務でわかりやすく解説をまとめます。
- 耐熱性
- 定義:高温環境下で機能(保護・断熱・耐食・美観)を維持するための塗料で、耐熱温度や耐熱性の維持時間、耐熱サイク
- 主な用途:
- 工場設備:ボイラー外面、燃焼機器、排気ダクト、煙突、加熱炉の外
- プロセス配管:蒸気配管、熱媒配管
- 熱交換器
- 発電設備、タンク
- 工業炉や焼焼炉の内面(
- 金属構造の耐熱食(高温酸化・
- 耐熱塗膜
- シリコン系耐熱塗料(シリコーン樹脂)
- 特長:耐熱温度が比較的高く、耐久性・耐薬品性に優れています。連続使用温度で200〜600℃程度の製品が
- 用途:煙突外
- フェノール系・フェノール樹脂系
- 特長:耐熱性が高く、初期耐火性能
- 用途:炉内や高温部の保護に使われることがある(底との互換要確認)。
- 無機系耐熱塗料(耐火セラミック系、アルミノシリコート、ケイ酸塩等)
- 特徴:耐熱温度が非常に高く、酸化や高温腐食に強い
- 用途
- エポキシ系(高温硬化型)
- 特徴:耐熱温度は比較的低い(〜150〜200℃)ですが、耐薬品性・耐候性が良いです。
- 用途:熱媒配管や中温域の保冷
- アルミニウム顔料含有の耐熱塗料(アルミ遮熱塗料)
- 特長: アルミ粉末の反射性で放熱性を高め、表面温度を低減する効果があります。
- 用途
- 耐熱ラッカー系(短期高温耐性)
- 特徴:高温での短時間耐久性はあるが、連続使用は制限
- 用
- 性能
- 連続使用温度(℃)
- 例:200℃連続、400℃断続、600℃短期など。 用途により必要な連続温度を基準に定める
- 最高短期耐熱温度(瞬間耐熱)
- 熱サイクル耐久性(加熱・冷却の繰り返しでの剥離やクラックの存在)
- 耐酸化性・耐熱腐食性(高温での酸化やスケーリング耐性)
- 密着性・密着性(下地金属・耐火材等への付着力)
- 耐薬品性(排気ガス中の酸・アルカリ、溶媒等)
- 伸び・弾性(高温での膨張差に)
- 施工条件(防炎率、塗布量、焼付や硬化温度)
- 耐火性
- 表面仕上げ(光沢、色、反射率)—特に遮熱用途では反射率が重要
- 規格・認証(JIS、ISO、消防法・環境法規の)
- 基本処理
- 基礎の重要性:高温環境では基礎の腐食やスケール(酸化膜)の発生が剥離の原因になります。
- 基本処理の手順(概略)
- 初期洗浄(油脂、グリース、汚れの除去)→溶剤
- 錆の除去(ケレン作業:手作業・電動工具・ショットブラスト)→ Sa2.5(必要な
- 旧塗膜が残る場合は密着試験・旧塗膜
- プライマー(防錆塗料・耐熱プライマー)塗布:下地と上塗りの密着を確保し、腐食を防止
- 適用仕様(推奨)
- 指定塗布量(μmやkg/m2)を守る。薄塗りは耐熱・保護性能の低下を優先。
- 多層塗り(プライマー→中塗り→上)
- 高温焼付けが必要な製品(焼付け硬化型)は指定の温度プロ
- 施工環境
- 塗装温度や水分は仕様で指定されます。 水分が高いとブリスターや乾燥
- 換気や有機溶剤管理、
- 膨張・膨張対策
- 金属と塗膜の熱膨張差に生じる剥離を防ぐため、可とう性を持つトップコートや中間層を
- 焼き付けや予備焼成(プレベーキング)
- 一部耐熱塗料は施工後に加熱(焼付け)して硬化させる製品があります。指定温度・時間
- 推奨塗料
- ボイラー外面・熱交換器(中高温:200〜500℃)
- シリコン系やアルミ含有高温塗料、無機系コーティングを
- 排気ダクト・煙突(高温・腐食ガス)
- 耐熱温度だけでなく耐酸化・耐硫黄性(硫黄ガス腐食)を確認。 耐酸性の高い無機系塗料や耐熱下地ステンレスの選択を検査。
- 炉内・焼成炉の内面(極高温、直火炎)
- 塗料より耐火レンガ・耐火火塗料(セラミック)や金属の露出防止材が主。 接触火炎部は専用の耐火材を
- 発電設備・タービン周辺(振動・高温サイクル)
- 耐熱性に加え、振動や熱サイクルに強い弾性塗膜を採用。
- 配管(蒸気・熱媒)
- 断熱と保護を両立する目的であれば、耐熱塗料+断熱材併用やアルミ顔料系塗料での放熱低減を検討します。
- 安全・環境・法規
- 揮発性有機化合物(VOC)規制や作業環境管理
- 大量の選択肢を置く製品は換気・作業許可、労働安全の配慮が必要です。 低VOC製品の選択や水性耐熱塗料の活用も進んでいます。
- 火災リスク・可燃性溶剤
- 屋内や閉鎖ドスペースでの自主使用は消防法・安全対策厳守。
- 廃棄・剥離時処理
- 旧塗膜の鉛含有等の有害物質がある場合、適切な除去法と廃棄処理が必要である。
- 認証
- 食品工場やクリーンルームでは専用の安全規格(食品接触、低VOC、抗菌)
- 保守・
- 定期点検
- 目視点検(剥離・ひび割れ・膨張)、厚さ測定(塗膜)
- 評価
- 色あせ
- 保守的な工法
- 局所補修(
- 施工の実務上の注意点・トラブルと対策
- 焼付硬化が必要な塗料では十分に硬化できないと耐熱性はありません。
- 対策:温度注意を厳守し、温度計で焼付温度を管理
- ベースのケレン不足による剥離
- 対策:適切なケレン等級(例 Sa2.5)を指定、ショットブラストが必要なケースは
- ブリスター(膨張)やピンホール発生
- 原因:湿気混入、旧塗膜下の水分、油分、ガス噴出。
- 色焼けや変色
- 高温での色安定性が低い顔料
- 製品選び
- 目的(耐熱温度
- 下地材質(鋼板、ステンレス)
- 指定塗布量・塗膜厚(μm)
- 施工条件(下地処理レベル、焼付けの有無、乾燥条件)
- 試験データ(熱サイクル試験、付着試
- 安全データシート
- 参考仕様(メーカーの施工マニュアル、保証条件)
- 参考的な費用感(非常に快適)
- 小規模局所耐熱塗装(数m2、下地良好):数万円〜数十万円(材料・人員・仮設含む)
- 中規模設備(配管・
- 大規模耐熱性(ボイラー外面・煙突・多数の配管・高所作業を含む):数百万円〜(塗装処理やショットブラスト等で大幅増)
- 注意:ショットブラスト・サンドブラスト等基盤処理が必要な場合、費用は大きく上がります。焼付けが必要な場合は設備
- よくあるQ&A(実務寄り) Q:金属の高温部分に水性耐熱塗料は使えますか? A:DC水性タイプの耐熱塗料が増えていますが、連続高温(200℃以上)などは使えません。
Q:耐熱塗料は断熱効果もありますか? A:一般の耐熱塗料は主に表面保護を目的とします。断熱(熱伝導低減)を期待する場合は断熱塗料(中空体入りやセラミック中空ビーズなど)や断熱材併用を検討してください。アルミニウム顔料は放射冷却による表面
Q:既存の耐熱塗膜がある場合、上塗りは可能ですか? A:既存の塗膜の種類と状態により対応が変わります。
Q:耐熱塗料の寿命はどの程度ですか? A:使用温度、化学環境、熱サイクルの頻度で大きく変わります。 概ね連続300℃前後の条件で5〜15年程度の目安。
Q:食品工場で使えますか? A:食品工場での使用は接触基準、低VOC、洗浄性、耐熱性を満たす必要があります。食品接触面や清掃が頻繁な箇所は、食品適合塗料やステンレス等無塗装材の選択が基本です。
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