工場や倉庫などの塗装工事の施工について考えています。必要なのか、又は、どのような塗料を使うのか?詳しく教えてください
2025.10.14 (Tue) 更新
工場や倉庫などの塗装工事の施工について考えています。必要なのか、又は、どのような塗料を使うのか?詳しく教えてください
工場や倉庫の塗装工事について、その必要性と、使用される塗料の種類について詳しく解説します。
工場や倉庫の塗装は、単に建物の美観を保つだけでなく、建物の寿命を延ばし、働く環境を改善し、事業活動を円滑にするために不可欠なメンテナンスです。
目次
1. 工場・倉庫の塗装工事の必要性(メリット)
工場や倉庫は、一般的な住宅よりも厳しい環境にさらされることが多いため、定期的な塗装工事が特に重要になります。
塗装箇所 | 主な必要性・メリット |
屋根・外壁 | 建物の保護(防水・防錆):紫外線や雨水、温度変化から建材(特に金属)を守り、雨漏りや錆の発生を防ぎ、建物の寿命を延ばします。 |
遮熱・断熱:遮熱塗料を使用することで、太陽光を反射し、室内の温度上昇を抑え、空調費の削減と作業環境の改善に繋がります。 | |
美観の維持:企業イメージの向上にも寄与します。 | |
床 | 安全性の向上:ひび割れや段差を防ぎ、フォークリフトなどの安全な走行を確保します。また、防滑性の高い塗料で転倒事故を防ぎます。 |
防塵・衛生管理:コンクリートの粉塵発生を防ぎ、清掃しやすくなるため、食品工場や精密機器を扱う工場などで衛生的な環境を保てます。 | |
耐荷重・耐摩耗性の向上:重機の走行や重量物の設置による床の損傷を防ぎます。 | |
耐薬品性・耐油性の付与:油や薬品がこぼれた際の床の劣化を防ぎます。 |
2. 使用される塗料の種類と特徴
工場・倉庫の塗装工事では、屋根・外壁用と床用で求められる機能が大きく異なるため、それぞれに特化した塗料が使われます。
A. 屋根・外壁用塗料の種類(機能と耐久性)
耐久性やコスト、機能性に応じて、様々な種類の塗料が選ばれます。近年は特に遮熱性が重視されます。
塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 主な特徴と適性 |
ウレタン塗料 | 7〜10年 | 価格が比較的安価で、柔軟性があるためひび割れに追随しやすい。防水性も高い。 |
シリコン塗料 | 10〜13年 | コストと性能のバランスが最も良い。一般的に広く使用されている標準的な塗料。 |
フッ素塗料 | 13〜15年 | 耐久性が非常に高い。塗り替えの頻度を減らせるため、長期的なトータルコストを抑えたい場合に適する。耐熱性・防汚性にも優れる。 |
無機塗料 | 15〜25年 | 最も耐久性が高い塗料。不燃性があり、耐候性にも優れる。価格は高価。 |
【特に工場・倉庫で重要視される機能性塗料】
塗料の種類 | 機能 | メリット |
遮熱塗料 | 太陽光の近赤外線を効率よく反射する。 | 屋根表面温度を$15\sim 20^{\circ}\text{C}程度、室内温度を3\sim 7^{\circ}\text{C}$程度下げることができ、空調費の削減(省エネ)と熱中症対策に直結する。 |
低汚染塗料 | 塗膜表面に汚れがつきにくい、または雨水で汚れを洗い流す機能がある。 | 遮熱塗料は汚れが付着すると効果が低下するため、この低汚染性(高耐久性)も非常に重要。 |
防カビ・防藻塗料 | 塗膜にカビや藻の発生を防ぐ成分が配合されている。 | 湿気の多い場所や北側の壁など、カビ・藻が発生しやすい箇所に有効。 |
B. 床用塗料の種類(塗床材)
床は最も過酷な環境にさらされるため、強度や耐性が選定のポイントになります。
塗料の種類 | 主な特徴と適性 |
エポキシ樹脂 | 床塗装で最も一般的。耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性、耐油性に優れ、仕上がりが滑らかで美しい。比較的安価。多くの工場・倉庫の床に適している。 |
ウレタン樹脂 | 柔軟性と弾性があるため、衝撃に強く、ひび割れ(クラック)が起こりにくい。フォークリフトなど重量物を扱う場所や、振動の多い場所に適している。 |
水性硬質ウレタン樹脂 | 耐熱性、耐水性、抗菌性に優れ、酸・アルカリ・油脂などに対する耐久性も高い。施工時の臭気が少なく、食品工場や厨房に適している。 |
アクリル樹脂 | 乾燥が速く、短工期での施工が可能。軽歩行エリアやスケジュールがタイトな場合に適するが、耐久性は他より低い傾向にある。 |
3. 塗装工事の進め方
塗装工事を成功させるには、以下のステップを踏むことが重要です。
現状調査とヒアリング
建物の築年数、前回の塗装時期、劣化状況(ひび割れ、錆、チョーキングなど)を調査します。
工場の用途(食品、化学、精密機器など)や床の利用状況(フォークリフトの有無、薬品の使用など)を詳しくヒアリングし、必要な機能を明確にします。
塗料の選定と見積もり
調査結果と要望に基づき、最適な塗料の種類(例:屋根は遮熱フッ素塗料、床はエポキシ樹脂塗料など)を選定し、工法と費用の見積もりを依頼します。
耐久年数と価格、機能のバランスを考慮して選択することが、トータルコストの削減につながります。
下地処理
塗装の品質を左右する最も重要な工程です。屋根・外壁の場合は高圧洗浄で汚れや古い塗膜を徹底的に除去し、錆止めやひび割れの補修を行います。床の場合は、油分除去やケレン(表面の削り出し)を行い、塗料の密着性を高めます。
塗装作業
塗料メーカーの規定に従い、下塗り、中塗り、上塗りと適切な回数・膜厚で塗装を行います。
最終確認と引き渡し
工場・倉庫の塗装は専門性が高いため、実績が豊富で、目的や用途に合わせて最適な提案をしてくれる塗装業者に相談することをおすすめします。
塗り替え屋一番では現地診断(写真付き)・最適プランのご提案・明確な見積りを行っております。無料相談・見積りを承ります。お気軽にお問い合わせください。