【油性塗料と水性塗料】外壁塗装にどちらを使うべき?特徴・違いを解説
2021.11.29 (Mon) 更新
外壁塗装で使う塗料には「水性塗料」と「油性塗料」の2種類があります。
水性塗料は臭いが少ない・乾燥時間が温度や湿度で左右されにくい・比較的安い傾向にあるといった特徴があります。
その一方で、金属部分には使用できない・濃い色の塗装ができないといったデメリットも。
油性塗料は臭いがあるものの、耐久性に優れた塗膜を下地に影響されず仕上げられます。
上記の通り、一長一短がありどちらの塗料を選ぶべきか悩む方も多くいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では「水性塗料と油性塗料の違い」「メリット・デメリット」「適した塗料を選ぶ方法」をご紹介します。
まずは水性塗料と油性塗料の違いから確認しましょう。
目次
「水性塗料」「油性塗料」とは?
外壁塗装で使用する塗料は、希釈材に水を使う「水性塗料」と、シンナーをはじめとした有機溶剤を使用する「油性塗料」とに分けられます。
塗料はそもそも「顔料」「シリコン・フッ素といった合成樹脂」「添加物」を壁面に密着させるため使われるものです。
しかしこうしたものをきちんと接着させるためには、希釈材で溶かす必要があります。
希釈材で材料を溶かして塗り、乾燥により希釈材が蒸発してはじめて、着色・外壁保護といった機能性が発揮できるのです。
水性・油性によって耐久性・性能・価格帯が大幅に変わることはありませんが、あえて言うのであれば油性塗料の方が強固・高価格帯となる傾向にあります。
外壁塗装に油性塗料を選ぶメリット・デメリット
水性塗料よりも価格が高くなりやすい油性塗料には、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。
油性塗料が向いている塗装場所やシチュエーションと併せて、それぞれ確認してみましょう。
油性塗料のメリット
油性塗料を使用するメリットは、大きく分けて4つあります。
- 密着性が高く、幅広い下地に対応できる
- 乾燥時間がかからない・乾燥時間が気温に影響されにくい
- 艶がよく美しい仕上がりになる
- 耐久性に優れている
下地に影響されず塗装できるため、外壁にも金属の付帯部分にも対応可能です。
加えてしっかりとした耐久性と美しさを兼ね備えた仕上がりになるので、迷ったら選んでおきたい塗料といえるでしょう。
油性塗料のデメリット
ご紹介した通りメリットの多い油性塗料ですが、デメリットもあります。
例えば、以下の4点が挙げられます。
- シンナーの独特な臭いがする
- 2液性(主剤+シンナー+硬化剤を混ぜて作るタイプの塗料)が多く、扱いにくい。
希釈率を間違えた場合は品質に影響が出る・混ぜた後は6~8時間以内に使用しなければならないといった制限がある - シンナーを使用するため、引火性・有毒性があり危険が伴う
- ツヤ消しに限度があり、マットな質感に仕上げたい場合に不向き
特に大きなデメリットとなるのが、臭いではないでしょうか。
ご近所トラブルに発展したり体調不良につながったりする可能性もあり、周囲へのよりししっかりとした説明や外泊・ペットホテルの検討など、外壁塗装に際して準備しておくことが多い傾向にあります。
油性塗料が向いている場所・シチュエーション
油性塗料は上記でご紹介したメリットから、以下のような様々な場所・シチュエーションへの塗装におすすめです。
- 屋根・サイディング・金属部分・つるつるとした材質への塗装をしたい
- 耐久性の高い外壁にして、次の外壁塗装までの年数を延ばしたい
- 気温が低い時期に塗装の予定を組んだ
- 光沢のある外壁にしたい
油性塗料は密着性が高く強い塗膜を形成できるため、雨風・日光によるダメージを受けやすい屋根塗装にも向いています。
できるだけ耐久性の高い塗装をしたい場合は、油性塗料を選ぶとよいでしょう。
外壁塗装に水性塗料を選ぶメリット・デメリット
耐久性・価格帯ともに油性塗料とほぼ変わらない基準に達するようになった水性塗料。
どんなメリット・デメリットがあり、どういった場所の塗装に向いているのかをそれぞれ確認していきましょう。
水性塗料のメリット
水性塗料は、主に扱いやすさに関する4つのメリットがあります。
- 希釈材として使うのは水のため、油性塗料のように強い臭いがしにくい
- 水を入れて希釈するだけでそのまま使えるタイプ(1液性)が多いため、扱いやすい
- 引火性や有毒性が低い・シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の排出が少ない
- 有機溶剤を使用しないため主任者資格者の監督が必要ない分、価格が少々低めに設定されることが多い
臭いや有毒性がないため近隣トラブルへ発展しにくく、小さなお子さま・妊婦さん・ペットがいるご家庭も安心して過ごせるのが最も大きなメリットといえるでしょう。
また、油性塗料のように希釈後の時間制限もなく、余れば翌日も使用できる点はDIYで塗装をしたい方にもぴったり。
安全に外壁塗装を終えたい方・自身で塗装したい方にもおすすめの塗料です、
水性塗料のデメリット
一方、デメリットには以下の4点が挙げられます。
- 金属部分に密着しにくいため、トタン・金属サイディングなどを使用した箇所には向かない
- ツヤが少なく、光沢を出したい場合に不向き
- 濃い色を出しにくく、単色系に向いている
- 乾燥時間が気温・湿度に左右されやすく、油性塗料よりも乾燥に時間がかかる場合がある
湿度が高い時期や気温の低い冬に塗装を行った場合、塗料が乾燥せずスケジュールに影響を及ぼす可能性も考えられます。
できるだけスケジュール通りに施工を進めたい方や、しっかり乾燥させて不備のない外壁に仕上げたい方は油性塗料のほうが安心です。
水性塗料が向いている場所・シチュエーション
水性塗料は、サイディングの壁・ダメージの大きな家におすすめです。
サイディングやダメージの大きな外壁は、通気性の悪い油性塗料を塗ると剥がれ・膨張が起きる可能性があります。
外壁診断でダメージが大きいと言われた場合や、耐用年数を大きく過ぎて塗装をする場合は水性塗料がよいケースもあります。
また水性塗料のもつメリットから、以下の場合にもおすすめです。
- 臭いで近隣トラブルを起こしたくない・臭いに敏感な家族やペットがいる
- 塗装代を抑えたい
- DIYで作業をしたい
- 屋内を塗装する・換気の難しい場所で塗装をする
ただし「臭いが少ない」といっても、無臭ではない点に注意しておきましょう。
【外壁塗装】水性塗料と油性塗料はどう使い分けるべき?
それぞれ大きなメリット・デメリットを持つ油性塗料・水性塗料ですが、どのように使い分けるべきかよくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、ここからは油性塗料・水性塗料の使い分けをご紹介します。
機能性を重視するなら油性塗料
塗装のツヤ・汚れにくさ・耐候性といった機能性を重視したい方は、油性塗料を選びましょう。
ご紹介した通り、油性塗料は密着性が高くしっかりとした高い機能性を期待できます。
加えて油性塗料には、特に高い耐久性・密着性が期待できる2液性タイプの塗料が多い傾向にあります。
長く塗装を持たせたい場合・質のよい塗料を使いたい場合にぴったりです。
また、油性塗料はその耐久性により、ダメージを受けやすい屋根塗装にも向いています。
外壁と同じタイミングで屋根塗装も行うなら、油性塗料を選んでおくのがおすすめです。
人体や周囲への影響を軽減したいなら水性塗料
高い耐久性があるものの強いシンナー臭がする油性塗料は、近隣トラブルになる可能性があります。
- 強い臭いが苦手で避けたい方
- 妊婦さんや赤ちゃんのいるご家庭
- ペットのいるご家庭
- 周囲のお宅に迷惑をかけたくない場合
上記のような場合には、臭いが比較的少ない水性塗料を選びましょう。
ただし水性塗料は1液性のものが多く、高い耐久性が望める2液性の塗料は少ない傾向にあります。
「強くてしっかりした塗装をしたいので、2液性の水性塗料で塗装したい」といった場合は選択肢が限られるため、注意しましょう。
最適な塗料を選びたいなら専門業者に見てもらおう
ここまで油性塗料・水性塗料それぞれのメリット・デメリットをご紹介してきましたが、「結局、我が家にはどの塗料がいいのかな」と悩んでしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合は、一度専門業者へ依頼し、外壁診断を行ってみましょう。
塗料の性質はそれぞれあるものの、家の状態・外壁材の種類・家の建っている環境・下塗り材との関係性などにより、選べる塗料や最適な塗料は変わってきます。
さまざまな条件を加味して最適な塗料を選ぶためには、専門知識を持った業者へ依頼するのが安心です。
名古屋市にお住まいの方であれば、外壁診断はぜひ「塗り替え一番屋」へお任せください。
マイクロスコープや打診棒を使用し細部までしっかり診断し、詳細な診断書にまとめてお渡しいたします。
外壁診断は無料・強引な営業は行いませんので、お悩みのある方はぜひ「無料屋根外壁診断」よりご相談ください。
DIYで使うなら水性塗料を選ぼう
もともとDIYを経験したことのある方なら「軽い症状なら自分で修復したい」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合は、水性塗料を選ぶのがおすすめです。
水性塗料であれば以下のようなメリットがあり、個人でも扱いやすい塗料と言えるでしょう。
- 希釈材を混ぜてから使える時間(可使時間)が長い
- 塗りやすい
- 服に飛んでも洗って綺麗にできる
- 刷毛やローラーを綺麗にして再利用できる
ただし、外壁に表れているのは細かな異常でも、内部はより深刻な状態になっている場合があることは認識しておきましょう。
「DIYで直そうかな」と感じることが増えたり、不安に思ったりした場合はお気軽にご相談ください。
まとめ
油性塗料と水性塗料は、希釈材が異なります。
油性塗料はシンナーをはじめとする有機溶剤で顔料・合成樹脂などを溶かすのに対し、水性塗料は水で溶かすものです。
油性塗料は密着性が高く強い塗膜を作れるため、耐久性の高い外壁にしたい場合や屋根塗装をするのに最適。
加えて下地を選ばないため、金属部分も同じ塗料で塗装ができます。
一方水性塗料は臭いが少ないため近隣トラブルが起きにくいものの、油性塗料ほどの密着性はありません。
ただし可使時間が長く人体への危険性も少ないことから、DIYでも使いやすい塗料といえるでしょう。
しっかりメリット・デメリットを抑えて、最適な塗料選びを行いましょう。